創造と破壊 creative deconstruction 2003 8 7

「創造と破壊」を経営方針にかかげた、
ある大企業の業績が回復してきました。
成功したと言えるでしょう。
 しかし、あえて苦言を言うならば、
少し遅れた、先送りをしてきた、という感じがします。
 今から、10年ぐらい前に、ある週刊誌に、ある記事がありました。
週刊誌と言っても、大衆向けの週刊誌ではありません。
ビジネスマンが読む週刊誌です。
 記事によると、
この企業の大企業病についての特集がありました。
この記事は、今から、10年以上前のことです。
 この「創造と破壊」は、今頃やるのではなくて、
バブル経済の時に、やるべきだったのです。
 このような不景気のときに、
「もし、売れている商品が、さっぱり売れなくなったら、どうするか。」
「得意としている商品が、さっぱり売れなくなったら、どうするか。」
このようなことを考えるのは、つらいでしょう。
このようなことは、バブル経済の時に、考えるべきでした。
「創造と破壊」は、バブル経済の時こそ、やるべきだったのです。
そうすれば、「痛み」は、少なかったはずです。
先送りしてきた結果、企業としての痛みは、大きかったはずです。
 トップというものは、孤独です。
社員みんなが、好景気に浮かれているときに、
社長まで、浮かれていてはダメです。
 社長は、ひとり寂しく、
不景気になった時の戦略も考えておく必要があるのです。
だから、トップというものは、孤独なのです。
 孤独に耐えられないならば、
トップを去るか、
相談できる相手を探すことです。